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2025
Vol.7
北 岡 文 雄
11月13日 - 11月30日

【開館日】
会期中の木・金・土・日曜日
【開催時間】
10:00 - 17:00(最終入館16:30)
【出陳作家】
北岡文雄 Fumio KITAOKA
北岡文雄「冬の農村」
ベン・シャーン「伝導の書」
北 岡 文 雄
HOKUBU記念絵画館
北岡文雄は東京の裕福な家庭に生まれ、北戦的に自由な校風の教育の死で、これといった不自由にしばられることなく育ちました。
美大を卒えた北岡は、長い模索の時期に入ります。戦前は平塚運一の影響を受けた太い輪郭線の白黒の版画。中国へ渡り、ポスターの仕事をしていた頃に出会った、社会主義リアリズムの小口木版。
そして、帰国後に恩地学四郎の勧めで、手を染めた抽象不版。しかし、いずれも、画風を咀嚼するレベルに留まります。恩地の主催した「一木会」などで行われた実験的な制作により、多様な可能性を引き出した木版画ですが、人々の生活に密着した題材から徐々に脱却していくと同時に、その展開に行き詰まっていたのです。そんな中で、北岡は自らの方向性を伝統的な板日本版による写実様式に定めます。そして、自然や名勝の地に目を向け、世俗的で分かり易いながらも、その分かり易いを超えた別種の目的を先鋭化します。
北岡の木版画の特徴は状況的な構図です。スケッチを基盤にした図像は、歴史的な建造物等をメインモチーフとしています。その画面は、本来ならば建物に焦点をしほって、無駄な情報を省くのが常套手段なのに対して、前面に木を並べたり、建物そのものを敢えて奥の方に押しやったりしています。それは、建物が画面にうまく収まらない際の、苦肉の策のようにも感じられますが、そこには抽象で培った装飾性的な感性が働いているようです。それは韻をふむような詩的性格を持っています。

北岡文雄「サイロのある農家」
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