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2026
Vol.5
今井喬裕と池田満寿夫
7月9日 - 8月2日

【開館日】
会期中の木・金・土・日曜日
【開催時間】
10:00 - 17:00(最終入館16:30)
【出陳作家】
今井喬裕 Takahiro IMAI
池田満寿夫 Masuo IKEDA
今井喬裕「solfège」
ベン・シャーン「伝導の書」
今井喬裕と池田満寿夫
HOKUBU記念絵画館
20世紀前半の洋画は、いまからみると画家ひとりひとりの個性的な表現が十分でなかったと思われます。ことによれば、西洋的な表現を受容してきた日本近代洋画の理念というか、体質がまだ戦後の無差別な美術運動をとおってもまだ生きていたためかもしれません。人物画においても人間の心の表現である表情に変化が少なく、心の浮き沈みや感情のこまやかな表現というよりも、絵作りのための美的形成をしている気がするのです。人間ひとりひとりの性質が違うように、画家の方でも表情を強調したり、つつしんでみたりするしなやかなセンスを見せてくれたら、どんなに楽しいかと思います。
しかし、池田満寿夫と今井喬裕はそれとはちょっと違った目標を持っていたようです。人物を写実的にまとめた二人の表現主義的作風は表情に富んでいます。艶なる目つきや、不気味な微笑み、官能的なそれは、感情を画面に投影した傾向があります。
それに伴う見る側の心の反応は、時代の経験をそこに移し入れることで、アートとして我々の前に立ち現れるものかも知れません。時代の中立をして美の判断が起きるものです。それは画家の個性的なものが表されるのですが、その探究によって万人に共通のものも際立たせます。それはファッションをひっくり返した時代の裏側にまで徹する訴え方です。本展は時代を鋭く抉ることで熱烈な共感と支持を受ける二人の画家の展示です。
樋勝朋己 バスに乗っていくから

池田満寿夫「座せるスフィンクス」
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