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2025
Vol.5

​平 向 功 一
7月24日 - 8月31日

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【開館日】

 

 会期中の木・金・土・日曜日

【開催時間】

 

 10:00 - 17:00(最終入館16:30) 

【出陳作家】

 

 平向功一 Koichi HIRAMUKAI

 

 


ベン・シャーン「伝導の書」

​平 向 功 一

HOKUBU記念絵画館

平向功一が作る日本画は玩具の模型のような立体作品で構成されています。創造意志の焦点にはファンタジーの形成がありますが、それだけではありません。過去には物語を題材にした作品はありますが、そういうイメージだけで眺めていると正確さを欠くようです。伝統の世界に血路を求めた日本画とは本質的に相違したものがあります。それは平向の首尾一貫した姿勢といえます。

画家は先達の言葉から学びとろうとしたがります。知識を学び、発想を真似ようとしたがります。しかし、平向が絵を描き始めた頃の日本は高尚な理念から離脱して、表現の見直しが迫られた時代でした。平向もポップなスタイルを潜伏させた日本画として、意識的に新しい画風を前進させました。それは、時代の影響が平向の表現の中に深く入り込んだというよりも、従来の美しい日本画とは少し違った価値を持った平向の姿勢が、自由なイメージを後押ししたものと思われます。  

この自発的な姿勢は、平向が自分の表現を確立する局面に立ち至って大きな成果を生みました。世界人類の一員として役目を負った芸術的な立場が、想像の世界から、現実の問題に針を振ったのです。見るものに想像の余地を残した表現は具体的な情報をあまり与えていませんが、移民や銃などの問題と向かい合って制作に取り組んでいます。それだけに、テーマは複雑ですが、現実を基盤としたルポルタージュの面もあり、まさしく、想像的な方向から働きかけながらも、人々に現実的に考えることを忘れさせない、申し分のない芸術的表現となったのです。

 

本展は1996年から2025年までに作られた平面や立体など、平向の様々な表現を紹介するものです。これらは過去の完成された日本画を解体することではじめて生み出される表現であり、しかも新しい段階の日本画です。平向は「自分のやりたいようにやってみただけ」と言っています。その新時代への提唱が映し出した成果をどうぞお楽しみください。

 樋勝朋己 バスに乗っていくから

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平向功一「無題」

HOKUBU記念絵画館

HOKUBU Memorial Picture Museum

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