2024
Vol.6
今井喬裕と浮世絵
8月15日 - 8月18日
【開館日】
会期中の木・金・土・日曜日
【開催時間】
10:00 - 17:00(最終入館16:30)
【出陳作家】
今井喬裕 Takahiro IMAI ほか
今井喬裕「Sinccerity」
絵には眼を、目には輝きを
HOKUBU記念絵画館
コロナ禍でマスクを着けるようになった時には、顔を合わせ、言葉を交わす時にも外から見えるのは、眼と眉、そして髪という限られた部分だけでした。イスラム教の地域では、女性が近親者以外に顔を見せることはタブーですが、それと同じような人相の判断が行われました。マスクを外し一杯飲むということをしなくても、眼を見れば心がわかるのです。それでは、サングラスで眼を隠すとどうなるかというと、どんなに笑っても、はたから見るとどんな表情なのかはわかりません。頬がこわばって引きつっているだけです。心のうごきは表情になって眼に集約されるからです。
私たちは人物画に接するとき、いつもまず眼を見ます。それが内面のあらわれだからで「眼は心の窓」とも言われています。もちろん顔の表情も大切ですが、人間の顔でもっとも重要な部分が眼であることは、今井喬裕の絵を見ると直に伝わってきます。なにか一つのことに専心している眼の姿をみるとき、私たちはその人をえらいとか、美しいと思うものです。それは毅然とした印象を与えることができます。もちろん、人の顔をまじまじと見ることは、無頓着な子供には許されても、大人では礼儀というものに関係します。いかに美しくても、そろそろ眼を伏せるべきだと気付くものです。しかし、肖像画ならばじっくり観察することができます。
今回は眼がテーマです。描かれた眼をメドレーのようにして並べていくという趣向です。にっこりした眼や、釣り上がった眼など、その顔立ちの一つ一つは、我々をとりこにする魅力があります。本展は、暁の光のような眼の輝きに注目する展示です。