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2026
Vol.8
松 村 繁
11月19日 - 12月20日

【開館日】
会期中の木・金・土・日曜日
【開催時間】
10:00 - 17:00(最終入館16:30)
【出陳作家】
松村繁 Shigeru MATSUMURA
松村繁「」
ベン・シャーン「伝導の書」
松 村 繁
HOKUBU記念絵画館
「雪の女王」の絵画化の構想は、画家、松村繁の少年時代にまで遡ります。アンデルセンの童話を読んだのは彼が小学生の頃でした。その子供時代は高度経済成長が後半にさしかかり、海外の優れた児童童話が盛んに紹介された時期でした。インドア派の松村にとって読書は自然な成り行きですが、その時の感動を五十年が経っても覚えていたのは、よほど子供が大人になるまで成長の道筋に興味を覚えたからなのでしょう。松村はその人間ドラマに誰もが共感できるテーマがあることに後年になって気づいたのです。
世界中の人々が人生の教訓として受け継いでいるアンデルセンの童話は19世紀の進化論が引き起こした信仰の危機の時代に誕生しました。当時、出現してきた科学の異議申し立てを集めるように児童文学が祭り上げられ、世俗的な権威が与えられる状況でした。
同時に宗 教を支えるのに必要なファンタジーの足場が肯定され、そして宗教が暗示した無垢の象徴としての世界が、救済をもたらす近道と考えられ、新しい価値観が求められたからです。松村の作品はそこに人生のシンボリックなイメージを付け加えました。松村が「雪の女王」に触発されてから50年以上の歳月が流れていました。それは長い道のりでした。
樋勝朋己 バスに乗っていくから

松村繁「」
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