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2026
Vol.7
藤 森 詔 子 展
10月1日 - 11月1日

藤森詔子「神域、世界の境目 -島根県松江市東出
雲町揖屋 黄泉比良坂-」
【開館日】
会期中の木・金・土・日曜日
【開催時間】
10:00 - 17:00(最終入館16:30)
【出陳作家】
藤森詔子 Syouko FUJIMORI
ベン・シャーン「伝導の書」
藤 森 詔 子
HOKUBU記念絵画館
藤森詔子の何を描こうとしたのかという問いに答えるためには、それが社会的な問題であることを予測した上で、もともとの人類の相剋から探ろうとする逆算的な方法が役に立つと思います。それは、ありきたりの意味で創造ではなく、人間が安易な美と向き合った歴史の告発というべきです。藤森は「人間が生きるということに意味を持つべきか?不必要か?」という問題をテーマにします。それを表現するのにあたって藤森は二つの方向を示します。一つはイメージであり、もう一つは概念です。それは古代や近現代を出発点にしながら根本的な問題に着地します。ものの見方とは絶対的なものではなく、立場によって変わるものですが、藤森がこのテーマを歪曲したり、遠ざけたりすることなく一貫して追求したところにその創造の偉大な点があります。
今回も「生きる」という人間の掟について考察を深めまし た。その調査の過程で関連してきたアイヌ民族やマタギなどを掴み出しました。人間が環境の抵抗に逢って、これを支配し自由になるに従って、文明は発達しますが「それが生きるに等しいことなのか?」と藤森は問いかけます。北海道には、なお蝦夷の頃のような豊満な大地があり、そこには野生の動物や手付かずの自然が残っていて、文明との間にはなお隔たりがあります。アイヌ民族が伝説に生きた推移を一枚の絵に入れ込んだ渾身の企画に期待します。
樋勝朋己 バスに乗っていくから
