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【会期】

2023年 1月21日(土) -  2月19日(日) 

【開館日】

 

会期中の土・日曜日(冬季特別会期)

​・日曜は70分ごとの時間別予約制

土曜は予約不要・終日時間制限なし

【開催時間】

 

10:00 - 17:00 

【出陳作家】

二階武弘 / 副島孝二 / 柏本龍太 / 西山航

キジメッカ / 角浩 / 真野宏 / 岩渕華林 

​冨所龍人 / 松井宏樹

これは比喩的な意味ですが、生きるということはどうやって身を立てるかということだと思います。四足歩行だった人類が、地上から手を離して両手の自由を得たとき、足はその重みによろめいたかもしれません。それが徐々に肉付きが良くなり、活き活きと歩き始めたのです。赤ちゃんが成長していく姿が、少しずつ歩くという行為を学んでいった進化の歴史を経験的に教えてくれますが、その足は進化し、生存のためだけではない、複雑なステップを身に着けます。それは時に心の動きを映し、男女の関係でも二つの足が一つになって、お互いの意思を伝えあう道具として利用されます。足はこの時に表現力を習い覚えました。伝えるとは表現することですが、それが単に表現ならば、大きな発展ではないかもしれません。しかし、それを美しいと認めたならば、もうそれが機能としての側面から離脱して、楽しむための目的に達したことを意味します。

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柏本龍太「Cantabile」

柏本龍太「Cantabile」

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キジメッカ「自我の噴出」

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ところで、足の美しさはルネッサンス彫刻の片足重心のポーズのように、緊張と弛緩から生まれます。緊張は、ある意味で労働にも繋がる感覚で、さらに、それは崇高に結びつくのに対し、弛緩は、ある意味において快楽で、つまり生殖に繋がり、美の概念に結びつく気がします。絵画の歴史において、裸の女性が美を代表したように、足の美しさも、男性の側の立場にたって、やや理論を展開するものではありますが、足を理解するために、女性の足だけを描き出そうとする試みは、どれも、足を一個の快楽の対象にしてしまう結果になる気がします。もちろん、そういう視点もあってもいいとは思いますが、その出発点においては男女を区別せず、男性の足も女性の足と同等の担い手として、同じ機能を果たす存在として考えたいと思います。

二階武宏「臭気と馬」

人間の生活は、古代に比べると生活を維持するための労力が格段にはぶけ、生活の内容はいちじるしく豊かになりました。現代人はかって経験したことのない最高の生活を享受しています。人間が進化していくと、いずれは宇宙空間をアメーバのように浮遊するようになると予言する物理学者がいます。これは極端なものいいかもしれませんが、あるいは、家庭で椅子に座っている生活を送り、我々が必要なモノのところへ行かないで、必要なモノが我々のところにやってくるようになると、足は便利に甘えて退化するのではないでしょうか。本展は、絵画と写真をヒントに、足という存在の未来についても、定義の飛躍によって問いを提起します。

西山航_2007年神奈川県横須賀市南下浦町.jpg

西山航 シリーズ「なめくじ」より 2007年神奈川県横須賀市平成町

2023
Vol.01

足よ、お前は美しい

Exhibition Archive

HOKUBU記念絵画館

HOKUBU Memorial Picture Museum

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