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2027
Vol.2

​五百住乙人
4月1日 - 5月9日

五百住乙人「馬と人」.jpg

【開館日】

 

 会期中の木・金・土・日曜日

【開催時間】

 

 10:00 - 17:00(最終入館16:30) 

【出陳作家】

 

 五百住乙人 Kinoto IOZUMI

 

 


ベン・シャーン「伝導の書」

​五 百 住 乙 人​

HOKUBU記念絵画館

詩情を大切にした画家として知られた五百住乙人は、色と形という創造的な要素で、人物画、静物画、そして風景画など幅広い題材をこなし数多くの作品を残しました。柔らかい色調は、ほのぼのとした暖色と、静かな寒色を帯び、配置の巧みと密接に関係を持った形態は、眼にみえる情報を少なくした心の復元図ともいうべき性質を備えます。五百住は昔ながらの変わらない正統の絵画を追求しました。

とはいえ、創造という大きな歯車が、古典の段階でぐずぐずしていた訳ではありません。時代の先端を求めた画家以上のスピードで多くのものを吸収し、時代に流されることのない画家が残す内容よりも多くの進歩に寄与しました。今日のような速いテンポで流行が移り変わる時代に、伝統よりも、賞味期限よりも、大切なものを見極めたのです。

真面目で円満な性格は、生まれながらの画家というよりも、優れた才能の持ち主という印象が強いかもしれません。大学の法科を卒業後、ほぼ独学で油絵をはじめます。その方面に興味と資質のあった彼は、めきめきと腕を上げ、やがて芸術の世界に身を投じる決心をしました。幸運にも長寿にも恵まれた五百住は、不断の努力で、その豊な詩情を感性と知識の両面から獲得しました。そして、技術よりも詩情を上に置きました。ただ、その表現は現実の再現の要素がない訳ではありません。

色と形は画家が生み出す詩情です。それによって自らの表現というものを自覚するものでもあります。心の中にイメージが浮かび、それを色と形に転化することで絵画は形成される、と考えると、絵画の可能性とは主観的で、詩情的な領域にあるといえます。むろんここでの詩情とは現実に存在するものではありません。しかし、その現実との出会いこそ真に重みを持つもので、絵画を構成していく過程で、自らの表現を強化させるものでもあります。

それは美的センスだけでは描けないものです。五百住乙人の描く色を見ると、画家が自らの表現というものを試しながらも、対象と向き合うことによって、動き、働きだす感覚で絵を描いていることがわかります。そこには経験的なものが介入して、たとえば色から感じる感覚的な温度やニュアンスに富む筆使いによって、絵の中のリアリティーを補足的に支えているようなのです。すなわち、経験を通すことで、五百住乙人は詩情を持って絵を描けるのです。

また、形においても、それは不合理で、現実と非現実の混合ですが、新しい様式によって自分の欲求を満たそうとしていることが分かります。もちろん、それは多かれ少なかれ、勝手な解釈があり、生理的な嗜好があることを否定できません。それでも、五百住はその宿命的な不合理を強調します。不合理とは人間の感覚がどうしても部分的に単純化した現実の見方しかできないという点です。五百住は人間の感覚と現実の弱さとの建設的な自由と正統性を持ち出したのです。

五百住乙人の作品には詩情があります。形がリズミカルで、色彩が音楽的な旋律を持っています。それは前後する表現の発達を外観することでよくわかるものです。本展は五百住の多彩な作品を時系列ではなく、ゴムのように緩やかにグループ化して、伸縮自在な感覚で解きほぐしながら、その流れや方向を見分けるものです。

五百住乙人 むくげ.jpg

HOKUBU記念絵画館

HOKUBU Memorial Picture Museum

HOKUBU記念絵画館 

〒062-0911北海道札幌市豊平区旭町1-1-36

Tel : 011-822-0306(代表) 

Mail : kaigakan@hokubu-kinen.or.jp

 

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