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2024
Vol.2

​今井喬裕 Merry rays
2月29日 - 3月17日

ベン・シャーン「伝導の書」

【開館日】

 

 会期中の木・金・土・日曜日

【開催時間】

 

 10:00 - 17:00(最終入館16:30) 

【出陳作家】

 今井喬裕 Takahiro IMAI 


今井喬裕「Merry rays」

今井喬裕 Merry rays

HOKUBU記念絵画館

北海道初公開となる「Merry rays」は2010年の制作で「鉄の掟として、演奏できない楽器は描かない」という今井喬裕がその楽器の魅力を人物の身振りの中に要約した作品です。画面の上半分は完全な黒だけで出来ていますが、女性を描いた明るい部分とは均衡関係にあり、シンプルな中に力強さを感じる構図となっています。

この場面の意味は細密描写が十分に説明していますが、音符を見ながらメロディを空でなぞる意識が彼女の表情からも読み取れるでしょう。その抱いている意識が、持っている楽器と指先の間にある、という感じでしょうか。音楽と向き合うことで我を忘れていると言いたげな身振りでそこに座っています。

しかし、今井喬裕の最近の作品に対して我々が持っているイメージは装飾性とシンプルな画面との両立です。「ここ数年はそのバランスを探っているような感覚」であると言います。写実画は決して技術だけの問題ではありません。構図にはこの上なく複雑な問題が働いているため、抽象的な感覚にも直面しているというのが今井の現在の状況なのだと思います。今井は絵画の中に音楽的な要素を入れたかったのではないかと想像します。今井の写実力によって命を吹き込まれた女性の輪郭は近代の形と構成という造形的な要素としても意味を持つものと言えます。

 

岡倉天心は王様に接するがごとく芸術に接しなさい、と言いました。完全に平伏すと評論はできませんが、偉大なものに対して敬意を払う態度は必要です。熱意と努力を注ぎ、深遠な思考を巡らせ、そのうえ、技術的な発展によって完成された大作14点をそれぞれの作品解説とともに展示してご紹介します。

当館は「Merry rays」をはじめたくさんの今井喬裕の作品を所蔵することになりました。本展は二年前のコロナ禍で今井喬裕展を見逃してしまったファンに向けて、もういちど鑑賞の機会をもたらすものです。

HOKUBU記念絵画館

HOKUBU Memorial Picture Museum

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