​ただいま準備中

油絵なのに、木版画なので

油絵なのに、木版画なので_チラシ1.jpg

 【 会 期 】   2020年10月29(木) - 12月20日(日) 

【 会 場 】      1F / 3F展示室  

【 開館日 】    会期中の〔木〕〔金〕〔土〕〔日〕曜日

【展示作家】    服部正一郎   木村辰彦   佐藤真一 

   伊藤悌三    林喜市郎     福沢一郎   須田国太郎

   朝井閑右衛門  山下大五郎   内田巌    田中忠雄

   仲田好江    中西利雄    菅野矢一   荻須高徳

   大久保泰    宮本三郎    田中恭吉   恩地孝四郎

   水船六州    棟方志功    浅野竹二   川西英

   谷中安規    永瀬義郎    稲垣知雄   前田藤四朗

_DSC2407.jpg

恩地孝四郎  ポエムNo08 蝶の季節

_DSC2405.jpg

恩地孝四郎  ポエムNo15 過去

_DSC2409.jpg

恩地孝四郎  作者心象像

大衆化と独自の芸術表現としての立場を明らかにすべく歩み出した木版画ですが、芸術の一分野としてはないがしろにされ、常に日陰者の存在でもありました。しかし、昭和初期、一般の認識の薄かった木版画が、この頃から手軽な印刷技術として普及していきます。特に全国各地でブームになった版画雑誌の刊行など、創作活動が現在のような各個人の制作によるものではなく、同人誌、雑誌メディアを核としたグループの活動により展開していきます。プロレタリア美術運動に呼応し、木版画の大衆化運動を展開した小野忠重や、実験的な制作により様々な可能性を試みた「一木会」、また「京都創作版画協会」などの活動が活発化し、その間口を発展的に広げていきました。

そんな中で、1952年に、斉藤清がサンパウロ・ビエンナーレにおいて、受賞したことは、戦後の版画家たちの活動を大いに活気付けました。これは、洋画や、日本画を差し置いて、木版画がいち早く国際的なレベルで認められた証であり、それ以上に国内における木版画の再評価に繋がったのです。そして、学校教育にも導入されるなど、それまで芸術の格付けでは、下に見られていた木版画ではありますが、その一分野として市民権を得て、その広大な裾野の上に、隆盛を極めながら、次々と金字塔を打ち立てます。

当時の木版画の表現の特徴は何かと言えば、積極的な平面性とはっきりとしたフォルムにあると思われます。それは、細部が単純化され、全体が装飾的な味わいを持っていますが、そこには創作版画初期の未発達から来る単純化とは本質が異なった、木版画ならではの単純化があります。モチーフを要約して描くその手法は、雰囲気重視の油絵のような曖昧さを許しません。その骨太で重厚なプロポーションを要求する簡略化は、「木版画なので」という形象を追求したものです。そして、構成的な要素とともに、創造的な可能性を持った、その制作行程は、外来の様式を踏まえた抽象的な感覚が厳しく要求され、色と色、そして形と形との関係が必然的に浮かび上がるものです。が、それは、それまで曖昧性への傾斜を殺すような、厚塗りのくっきりとした近代の洋画に呼応するものです。それは、西洋の近代絵画の展開に一歩遅れて同調するものであり、海外からの新しい技術と価値観の導入により、鮮やかな変容を遂げた、戦後日本の文化力を推し量ることの出来るものでもあります。

浮世絵、創作版画、そして戦争を挟み、現代へと断続的に展開する木版画の一つの頂点である、近代の息遣いとその鮮明な表現で異彩を放った一時期は、日本の洋画との関係を浮かび上がらせます。木版画の歴史的なパノラマを概観するシリーズ七回目の本展では、新しい造型感覚の出現を匂わせる時代に焦点を当て、その変容を促進する上で著しく効果があった木版画の近代性を当時の洋画とともに振り返ります。

HOKUBU記念絵画館

HOKUBU Memorial Picture Museum

HOKUBU記念絵画館 〒062-0911北海道札幌市豊平区旭町1-1-36

Tel : 011-822-0306(代表) 

Mail : kaigakan@hokubu-kinen.or.jp

©️HOKUBU Memorial Picture Museum All Righits Reserved